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認知症の方の成年後見人になった場合の配慮

認知症で在宅の方の成年後見人となっている行政書士の先輩の配慮の紹介。

で、高齢者犯罪や累犯高齢者、高齢者の最期の受け皿が刑務所となっていると、以前から警鐘を鳴らしている浜井浩一・龍谷大学教授(刑事政策、犯罪学、統計学、犯罪心理学)の数々の著作にも詳しいように、

社会保障制度が脆弱な日本では、他国では高齢者になればなるほど刑務所の高齢者率が下がるのとは逆に、受刑者シェアは高齢者ほど高くなっています。

これは生活に苦労するなら刑務所で暮らした方がマシと考えるほど低レベルに社会保障制度が切り捨てられている事と、認知症の方の万引きなどが実刑となってしまっている事などに起因します。

前者は、医療費を上げたり、年金を株博打に突っ込み、儲けはハゲタカに、ツケは国民に強いているドアホノミクスの“成果”によるものです。

それは市民が直接的にどうしようもない問題ですが、後者は認知症の方を犯罪者にしないよう周囲で見守ることで防げます。

そしてそれを実践している行政書士の先輩の手法を聞いたので、ご紹介します。

認知症の方の写真を持って、自治会長や民生委員、交番だけでなく、近所のスーパーや大型ショッピングセンター、ホームセンター、家電量販店を回り、

「この方は認知症なので、悪気ないまま商品を持って帰ってしまうことがあるかもしれません。 お手数ですが、もしお店に来られたら、万引き防止にご協力いただけませんでしょうか?」

とお願いする。

こうして近所の方々が認知症の方を知ってもらえれば、店内でも一緒について回ってくれ、持って帰ろうとしたら「お金を払っていただかないと持ち帰れませんよ。 これが本当に必要なのですか?」と声をかけ、商品を棚に戻してくれるそうです。

私は、介護や子育ては社会で行うべきと考えていますが、具体的実践のケースとして、ご紹介します。

ちなみに誰でも彼でも刑務所にぶち込んで、目の前からいなくなれば問題解決だと考える人達とも対面やネット上で対話しておりますが、生活保護利用と刑務所とどちらが経費が安いかを知らないようですね。

一人当たりの経費は、生活保護では多めに14万円/月と見積もっても180万円弱ですが、刑務所は300万円ほどかかっています。

ここまでするのは成年後見人の仕事を逸脱しているかもしれませんし、そんな手間を司法書士や弁護士はかけないのかもしれませんが、高齢者ご本人に成り代わって見守る仕事は、現在ここまで求められているのかもしれません。


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